その日本語サイト、そのまま英語に翻訳してはもったいない
我が通訳道場のメンバーは、私が言うのもなんですが、優秀です。
私が仕事を回そうとする前に、もう周りから仕事が降ってきているようで。きっと周囲の方にプロの通訳・翻訳スキルを身につけるのを望まれていたのでしょうね。本当に嬉しい、ありがたいことです。
でも、私が「その仕事、いったんストップ!」と言うこともあるんです。
たとえば、ご友人の和菓子屋さんのサイトの英訳を頼まれたというケース。
予算もスケジュールもまったく問題ありません。
でも、既存の日本語サイトをそのまま英語にしたら、ほぼ無駄になる。
そりゃそうです。

だって、考えてもみてください。
日本語サイトは日本人客、それも地元の人たちを対象にしています。町内会や学校のご祝儀引き出物プランまであります。
それをそのまま英語で読むのって誰?
英語情報を読むのは誰?
このお店の場合、インバウンドのお客様の中でも日本の伝統文化に関心のある中高年がメイン。できればお店が主催している英語の茶会や和菓子作りの会にも脚を伸ばしてほしいと願っていました。
日本語情報を読む人と、英語情報を読む人は違うんです。だから必要な除法も違う。両方読んでるひまな人はまずいません。徹底的に相手に合わせて練り直すことをおすすめします。
たとえば、お菓子の由来、原材料(和菓子の鮮やかさがすべてケミカルと勘違いする人もいますよ!)、そのお菓子をいただく風習、季節感、日持ちなどなど。
お菓子の名前の英訳なんて面白いでしょうね!落雁、練り切り、すあま…すあまって何者?
私なら、まず一度お店にヒアリングに伺ったうえで、日本語サイトも参考にしながら、読む人を想像して別に書きます。
昔は翻訳といえば文芸作品が多く、「そのまま訳す」が普通でした。
でも、今は時代が変わりました。ジャンルもメディアも増えました。
変わらないのは「受けとる相手を想うこと」。
それをしないで言葉の置き換えだけするなら、AIで結構。
人間らしい仕事には想像力、マーケティング感覚をお忘れなく。
↓日英翻訳でてんやわんやしています
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