通訳になりたいなら、おすすめの学校
専門の情報誌をちらっと見ると書いてありますよね。大学で外国語を専門に学び、その後通訳養成学校に進むといいと。
確かに、そういう経路もかつてはメジャーでした。
私もはじめてサイマルの門を叩いて半年、ぐんぐん力がつくのを感じました。
でも周りを見ると、仕上がりがいかにも「通訳さん」なんです。
なにが違う…?
私がサイマルに助けてもらったのは、それまで持っていたものを結びつける訓練。「持ち物」そのものを足してもらったわけではないのです。
その「持ち物」は2つ。
リベラルアーツで文系、理系に偏らず「ものの考え方」を鍛えられたこと。いまは国際教養ナニヤラ学部がいろいろありますが、ニセモノがほとんどです。ホンモノは少人数で、教授と学生が生活を共にし、文理の壁がないこと。国際基督教大学では数学、物理学の美しさに驚嘆しました。私の生涯の学びのふるさとです。
もうひとつは、日本語を鍛えられていること。日本文学の古今の名作はもとより、新聞、理系の論文の文体、聖書、讃美歌の文体にも日々なじみました。これにはフェリス女学院中高に感謝します。世界は文理になどわかれていないことを叩きこまれました。高3の受験間際まで理科の実験を重ねました。牛の肝臓、ユスリカの染色体。
フェリス女学院中高はつまらない面倒見主義とは無縁の学校です。
通訳になりたいなら通訳学校、という考えはあまりに短絡です。AIに抜かされます。
まず人間として言語という文化遺産に仕える覚悟をしてください。ひとさまに通訳を頼まれるのはそのオマケです。