通訳メモで忙しい思いをしないための意外なコツ
はじめまして。エキスパート通訳トレーナーの冠木友紀子です。
さて、通訳メモに忙しい思いをしたことはありませんか?
「せっかくだから正確に全てを訳したいと細かくメモをとったらメモを取るのが大変すぎて訳の出だしが遅くなってしまった。」
「もっとうまくメモを取りたい」
そんなふうに思っていませんか?
実は解決策は逆方向です。
「通訳メモ講座」という単発講座も見かけますが、紙に書くメモなどナシで済めばそれに越した事はありません。
私も一応通訳用のメモとりますが、それは話している人が安心して話し続けられるように演出しているのです。私が何もメモを取らずにいると不安になるようですから。
そう、皆さん、メモ取りなど最小限で済ませる力があります。
どうぞメモを取る力よりも自分の聴いて想像する力を信じてください。
さて、その力をどう鍛えましょう?
まずは言葉から言葉への通訳はいったん脇に置きましょう。
言葉から画像へのメディア変換がカギです。これは生理学研究所のS教授をお訪ねして確かめたことです。
英語を聞いてメモを取らずに風景を想像してください。(ここで時制や前置詞などの文法的要素がカメラの絞りやレンズの長さ、露出と言ったパラメーターとなります。)
英語でそのままリピートあるいはリプロダクションしてみてください。
日本語だけでやってみてもいいですね。
はじめから欲張らないのがコツです。
例えば1日目はあるストーリーのはじめから30秒分。
2日目ははじめから1分まで。
3日目ははじめから1分30秒まで。
このように必ず「はじめ」からを繰り返して少しずつ足していくのがポイントです。
だんだんと聞いて想像して覚える器が大きくなるでしょう?
1日目は2分目まで、2日目は2分から4分まで、では想像して覚えるキャパが大きくなりません。
エキスパート通訳トレーニングでは、リンカーンのゲティスバーグ演説や外郎売りの向上をこのようにしてすっかり体得します。
皆さんこんなことが自分にできるなんて!と驚いていらっしゃいます。
きっとあなたにもできますよ。
お読みいただきありがとうございます。
今日、明日と冷えますが、どうぞ暖かくしてお健やかにお過ごしください。
ご要望、ご質問をぜひお聞かせください。
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