「令和」と二重母音と日本人
新しい元号、みなさんどう感じましたか?
海外では「『命令のもとに和せよ』という意味だ」と推測するメディアが盛り上がったようです。 政府は各国大使館にbeautiful harmonyと説明せよ、と指「令」を出したとのこと。
でも、harmonyで美しくないのってあるんでしょうか。
万葉集のこの文脈では「令」は月の「つやのある美しさ、佳いさま」を表すそうですから、lustre and beauty とかshining beautyでもいいかもしれませんね。
ちなみに「令」の字はひとが集まって、ひざまずき、神の意に耳をすませる様子だそうです。もともとは政治家の命令じゃないのです。海外のメディアも安心してくれるといいのだけれど。
ところで、「れいわ」という音について。
じきに皆さん「れーわ」と言うようになるはずです。(しかも「れ」はLの音で)平成へいせい、もそうでした。へーせー。めーじ、たいしょー、しょーわもそうです。
れいわでもれーわでも日本ではOK。 メインディッシでもメーンディッシュでもおかまいなし。
でも英語を話すときは耳と頭を切り替えましょう。
たとえば、cakeをケークとエーで伸ばすだけではいけません。
先日、大学の恩師、O先生に伺ったところによると、 日本の皆さんには「前の母音8割、後ろの母音2割くらいのつもりで」というと納得してもらいやすいとのこと。
エーを8、イで2、「ケーイク」てな感じでしょうか。
ケークなんてイを忘れると、イチゴの乗っていない のっぺらぼうケーキになって、聞き返されかねません。
通訳者はこうした瞬時の切り替えをとても大切にしています。日本語も英語もわかりやすさの土台は自然な美しさですから。