医療通訳の準備に思う、患者は忍者?
通訳は専門用語をきちんと把握していることが必須です。
専門用語という「点」が頭に入るには、点と点をつなぐ線、専門領域という「面」を理解することも必要です。ただの単語暗記では思考の流れについていけません。
なかでも準備にきりがないのは医療の通訳。日進月歩の技術とともに新しい言葉も生まれ続けています。
そんなとき、ふと気になるのがごく当たり前の言葉。
たとえばpatientは「患者」でいいのでしょうか。
個人的には患者の「患、わずらう」という字がなんだかフナムシみたいで…具合の悪いときには見たくない気がします。
語源によると、patientはまさに「耐え忍ぶ」。(インパチェンスimpatienceという花がありますが、種に触ると弾けて飛ぶ様子が「不」「忍耐」というわけです。)
patientは「患う者」ではなく「忍ぶ者」、なんと「忍者」ではありませんか。身体の状態ではなく、心のありようを表しているように思えます。
と、こんな寄り道も準備の楽しみのひとつです。