そのポジティブ、ネガティブは違う
「ポジティブ」という言葉はとてもいいイメージで使われているようです。「前向き、肯定的、楽観的」とも通じるのでしょうね。
落ち込んだり、悲しんだりしている人を「ほら、そんなにネガティブにならないで。気を取り直してポジティブに!」なんて励ましている声も耳に入ります。
でも…怒り、悲しみ、落胆がネガティブで、喜び、楽しみ、笑い、希望がポジティブなのでしょうか。
私は違うと思っています。
positiveの語源はpositionと同じでラテン語「posit=定める」に語尾iveがついたもの。negativeはラテン語「neg=否定」です。
私は、ポジティブは在るものを在ると認めること。ネガティブは在るものを在ると認めないこと、と考えています。
哀しむことがふさわしいときには哀しめばいい。
喜ぶのがふさわしいときには喜べばいい。
泣くのがふさわしいときに笑おうとしなくていい。
ただ、ひとつの心情に「居着く」のはちょっと気がかりです。
ずっと哀しんでばかりなのも、年がら年中超ゴキゲンな便所の100ワット電球も等しく心配です。(アメリカの自己啓発は後者が好きみたい)
なぜなら、命あるものは「居着かない」から。
リズムをもって動いているから。
出来事そのものは哀しくても、
時に適った哀しみを心で味わえることを、
ありがたい、と静かに思えたら、と願います。
「天の下ではすべてに時機があり、
すべての出来事に時がある。
生まれるに時があり、死ぬに時がある。
植えるに時があり、抜くに時がある。
殺すに時があり、癒すに時がある。
壊すに時があり、建てるに時がある。
泣くに時があり、笑うに時がある。
嘆くに時があり、踊るに時がある。」
(コヘレトの言葉 第3章)
天では不生不滅、不垢不浄、不増不減なのかしら。
これを書いたのは…筆者プロフィール