日本人は「日本文化」を全部知らないといけない?!
こんにちは。通訳藝術道場主宰、持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。
通訳藝術道場では落語家、立川志の春さんを理想として精進しています。
なぜ?英語、日本語のどちらも志の春さんはド本物なんです。「志の春さんの英語落語を通訳したら志の春さんの日本語落語になっているはずだよ」などとハードルを上げて楽しんでおります。
さて、イエール大学に学ばれた志の春さん、留学時代のエピソードも笑えます。映画通の友人に「あのクールな映画俳優、シムラを知らないのか」といわれ、志村けんさんを思い浮かべて困惑したとか(志村喬さんのことですねえ))…
このご友人に日本名画をあれこれとすすめられた志の春さん、大学の図書館で山ほどのビデオをご覧になったそう。
このエピソードにいたく感動した学生が張り切って…「日本人って日本のこと知りませんね。私も日本の文化を知ってから海外に行かないと…」
といったものの、次の瞬間…「で、なにから始めれば…」
そりゃそうだ。
志の春さんのお友達、本当に日本を知っていたのでしょうか?
確かに、映画に関しては日本人の99%以上に日本映画を知っていたでしょう。でも、プロ野球やラーメン、歌舞伎、着物、お祭り、音楽はどうでしょう。
映画に取り上げられた話題をきっかけに理解を広げることはあっても、すべてを均等に知っていたわけではないでしょう。
だから、あわてて「日本文化!」なんて大上段に構えなくてよいと思います。
あなたの興味を究めて「変態」と呼ばれるほどになれば、おのずと国境を超えていることでしょう。
「知る」こと自体、相手や対象への関心と敬愛の印。思いがけない相手に地元の文化が「知られて」いることは嬉しいもの。
国境おかまいなしの変態たちの友情もまた、平和を創り出すと思うのです。
こちらもまた私の変態躍如…でも、心静まり、喜びに満たされるひとときだそうです。
シュタイナー学校の先生のための英詩講座 次回は4月3日