私ついにジェレミー・ブレットさまの後輩になりました。
ついに私、
あのシャーロック・ホームズシリーズで
知られるジェレミー・ブレット様の
後輩になりました!
去る6月のことです。
週に2日、朝2時半に起きて
3時から5時までの授業に
ご機嫌で参加しています。
早起きし過ぎて、
次の瞬間はなぜか3時20分過ぎ
なんてこともありましたが…
さて、一体どこの授業でしょう?
実は、英国ロンドンの
Royal Central School
of Speech and Dramaという
学校です。
ここはジェレミーさまが
イートン校を卒業後に進学し
クラシックな役者修行に専念した
学校でもあります。
私は相当なミーハーですが、
何もそれだけのために再び学生と
なったわけではありません。
まさかまさか女優になろうと
思っているわけでもありません。
まあ、時々新聞で見かける
シニアモデルなんていうのは
老後の余暇に
ちょっと興味がありますけどね。
私がロンドンの演劇学校で
学ぼうと思ったのは、
そこに私の通訳養成体験を
支える芸術理論があるはずだと
思ったからなんです。
今参加している授業は
ズームを使ったオンラインで
主にイギリス、アメリカひとり
日本私ひとりが参加しています。
お互い離れていても私たちは
たっぷりアクティビティを
体験しています。
ファシリのアレックス先生は
私たちの感想に
あのスタニスラフスキーの
理論で応え、
学びをしっかり深めて
くれます。
そもそもの始まりは
昨年11月3日のことでした。
突然ジェレミーさまの
シャーロック・ホームズの
ことを思い出したのです。
それまで熱烈なファンと
言うわけではなかったので
不思議なことでした。
まるで、何か人影が
本のようなものを持って
ふっと近づいてきて
「どうもこれが君の仕事に
関係があるようだけれど」
と言っていたような気がします。
その日は、彼が生きていれば
88歳の誕生日でした。
そこでホームズ・シリーズを
もう一度見て…衝撃でした。
彼の演技はまったく
古びないのです。
ちょっと前の日本の朝ドラは
演技の暑苦しさにげんなり
することがあります。
そんなことが全くないのです。
最小限の動きで彩り豊かで
自然に細やかな表現をしている。
これは平板でもわざとらしくも
ない通訳の表現と通じる!
なんでそんなことができる?
背後に何がある?
と不思議に思い、
たどりついたのが
近代ロシア演劇を方向付けた
スタニスラフスキーの
メソッドでした。
そのメソッドをジェレミーさまが
学んだのがこの王立演劇学校だった
というわけです。
彼の私的な生活は苦難続きでした。
左利き、ディスレクシアで
名門イートンでは鞭うたれ、
十代のリウマチ熱の後遺症で…
などなどやけを起こしても
無理もないほどです。
でも、彼はそうしなかった。
今ならばいろいろなセラピーで
忙しい思いをしていたことでしょう。
患者扱いされることに若いころから
慣れてしまうかもしれません。
でも、1950年代、そういう
サービスはなかった。
名門校の無理解に苦労はしても、
「患者様」扱いされることなく
ジェレミーさまは自分の情熱の
向かうところに
まっすぐに進んでゆけたのかも
しれません。
そして、自分の内にある光を
輝かせることができたのでしょう。
その光を
キャンドルサービスのように
失敬し(!!)
通訳を学ぶ皆様と
分かち合えたらと思うと
心躍ります。(←変態)
季節の変わり目、くれぐれもご自愛ください。
ごきげんよう。
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