「冠木さん考えるとき英語?日本語?」

よく訊かれるんです。
「英語で考えたり、寝言を言ったりするんだけど、『こんなもん?』という感じがして…」
その違和感は鋭い。
「え?冠木さんは英語で考えるの?」
NO
「じゃあ日本語?」
NO
「??? やっぱり何も考えてないんだ!」
おっと…その可能性もあるけど…。

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言葉で考えているのってサバイバルモードのとき。過去のやりとりを蒸し返していたり、苦手な相手に会う前に作戦立てていたり。これは考えているというより思い煩っている状態。スピードも遅い。

調子のよいときは言葉で考えていないんです。アタマの中に単語1つ転がっていない。
しいて言えばイメージや音楽のような「感じ」が瞬間的に顕れる。それが話し相手によって日本語で出てきたり、英語で出てきたり。自分でも「あれまあ、日本語だよ」「おやまあ英語だよ」と他人事のように聞いている。(今年はそこにフランス語が加わるのだ!)
自転車に乗るのと似ている感覚です。「右折するからペダルをゆるめてスピード落として、右手を引いてハンドルを傾けるぞ」なんて意識しません。すべて自動化されて自然です。
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「自動化=自分と一つになっている」動きは自然で美しいでしょう?
もちろん始めから自動化、一体化しているわけではありあせん。まず徹底的に意識、セルフモニターして繰り返す。いちいち考えながら自転車を漕ぐように。
同じことをぼけっと繰り返すのではありません。毎回微調整します。したくなるんです。
考えたり、寝言を言ったりするのに英語が出てくるのを喜んでいるようでは一体化が未完成です。
ところがこのレベルでもTOEICでは結構な点が取れてしまう。で、現場で困る。アタマの中で英作文なんかしていたら仕事になるわけがない。
きちんと一体化するにはまとまりのあるインプットが必要。ストーリーをまるごと正確に暗誦するのがおすすめです。聴く(+読む)+話すを全部やる。会話の場数増やしてもダメです。
大変そう?

そうね、やらない限りいつまでも大変そうに見えるでしょうね。でもやってみると意外や意外、雑念が消えて童心に帰るような心地がするもの。そして通訳も美しくなる。

Grasp the nettle.

あなたも何か「自分とひとつ」になるまで取り組んだものがあるでしょう?時間を忘れて夢中になったことがあるでしょう?ピアノ?サッカー?

まずその感覚を信じて下さいね。ご自分の物差しを大事にしてくださいね。

それやってみたい!仲間がいればなお心強い!という方をお待ちしています。

 

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