ロンドン・サヴォイホテルの愛ある鬼の名言集♪

「人はほめて伸ばすっていうけれど違和感…」
「叱るのも苦手だし…」

そんなあなたもこのビデオをご覧になったらスッキリなさるかも。私はスカ~~ッとしました。 

サヴォイといえばロンドンでも屈指の超一流ホテル。これほどのブランドとなるとリニューアルは大きな賭けです。20101010日のリニューアルオープンに向かう日々を収めたのがこのビデオ。サヴォイともなればスタッフの立ち方、歩き方、話し方、ドアの開けたて、アイロンのかけ方にいたるまで「サヴォイの流儀」があります。そしてゲストももちろんすべてにサヴォイ流を期待して来ます。

スタッフ研修をまとめるヘッドバトラーのショーンさんが素晴らしい!とてつもない愛ある鬼なのです。ショーンさんはゲストの期待≧従業員のサーヴィスを決して許さない。どんな小さなことも見逃さない。びしっと指摘し、気づかせる。ほめたりなんかしていない。ただ精確、妥協ナシなのです。

4:57―
「ただやればいいというものではない。流儀には諸々細かいことがつきものだ。朝のお茶の淹れかた、新聞の渡しかた、シャツのアイロンのかけかた、ちょっとしたものの折りたたみかた、お風呂のお湯の張りかた。もし犬の散歩をたのまれたらどうする?いろいろあるんだ。」
I’m not expecting to do just like that because there’s a quite a bit how to serve your morning tea, how to present the newspaper, how to press the shirt how to fold something how to run a bath… what about if somebody asks you take their dog for a walk… there’s a lot.

5:14―
「シャツのアイロンがけは目をつぶってだってできるようになるさ、この研修が終わるころにはね。」
You will be able to iron the shirts and press with your eyes closed by the end of this time.

19:09
「ひとつ言っておいたはずだ。なんだったかね、私が君に向き合ってほしいと言っておいたのは?」
「僕は厚かましい、と」
「そう、その厚かましくて尊大なところが好かんのだ。」
“I mentioned one thing to you. What did I mention that I want you to work on?”
“My cheekiness.”
“Cheekiness and arrogance I didn’t like.”

私は厳しいし、ずけずけ言う。誰彼構わず好かれるわけではない。気にするかって?別に。
I’m quite demanding, I’m quite direct …means not everybody’s taste. Do I care? Not really.

「なんだっていつも遅刻するんだ?自分の葬式か?」
“What’s that thing you are always late for? Your own funeral?”

25:18
「おい!今度しゃべっているところを目撃したら、口をセロテープで閉じてやる。万が一なにか粗相があったら、君はクビ、私もだ。私は自分の評判を君たちゆえに落とすようななつもりは決してないからな。」
Excuse me! If I catch you talking again I will put sellotape on your mouth. if anything goes wrong you might be looking for a job plus me. I have no intention to lose my reputation over any of you.

へっぽこな新人にも手加減ナシの厳しさ。その視線が注がれるのはスタッフ本人の成長やらではなく、さらに先のサヴォイホテル、サヴォイのゲスト。 

いやあ、しびれました。

私の通訳道場もサヴォイ流でまいります。準備、訳語選び、発声、服装までサヴォイレベルです!認定通訳者には前日徹夜しても、電車が遅れても当日は何事もなかったように優雅にやっていただきます。

まあ、つまり私も愛ある鬼でいるってこと。

あなたの中にも愛ある鬼がいるでしょう?その鬼が育てる愛しい誰かがいるでしょう?嫌われる、とか人目が気になるとかどうでもいい。それで離れる人にはさっさと離れていただきましょう。

自分にはそれほどの専門がない?いえ、別に専門なんかひとつもなくてもいいのです。誰もが鬼になれるときがひとつあります。

西洋の小鬼、ガーゴイル。なんだか恐くないですねえ。
西洋の小鬼、ガーゴイル。なんだか恐くないですねえ。

それはあなたの大事な誰かが自分自身を粗末に扱っているとき。「何やってんの!」と本気で鬼になれるでしょ?愛ある鬼は自意識から自由なんですよ。

というわけで、私も別にガミガミ怒っているわけじゃございません。

 

 

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