冬季オリンピック、スピードスケートの「パシュート」って何語じゃ?

こんにちは。エキスパート通訳トレーナーの冠木友紀子です。
冬季北京オリンピック、楽しんでいますか?

どうも冬の競技は、危なくて見ていられないのと、何度見てもわけがわからないのが多いような気がするのは私だけでしょうか。

わけがわからないといえばカーリングとスピードスケートのパシュート。

パシュートって何?フランス語とドイツ語のミックスみたいだけれど…ははあ、中期フランス語、pour suite (追跡)を元にできた英語のpursuit でした。

んん? pursuitは「ぱしゅーと」とは発音しないけど…

みなさん、「ぱしゅーと」じゃ99.9%通じません。ここに発音記号を書いても大して面白くもないでしょうから、平仮名でいきます。

gray olympics concrete block
Photo by Anthony on Pexels.com

「ぷすぅー」のほうがよっぽど通じます。

いいですね、パシュートは英語で「ぷすぅ ー」ですよ。(なんのこっちゃ)

物知りの皆さんは、きっと「pursueの名詞形ですよね!」とじりじりしておいでのことでしょう。

ご明察のとおりです。pursueはラテン語のprosequi「あとについていく」に通じます。sequence, consequenceとも親戚(?)です。

さて、ここでもう一歩細かく調べましょう。

動詞pursueの名詞形がpursuitになったと言うけれど、それが「どこで」か考えましたか?イギリスでしょうか?

すでに答えは書いてあるようなものですが、ブー、違います。

ヨーロッパの西北の最果て、イングランドにpursueが達してから名詞化したとしたら、途中の皆さん(主にフランスさん)はいったい何をぼうっとしていたのでしょう。

ラテン語ははるかイタリア(ローマ帝国)を旅立ちイギリスに到達する前に、フランスですでに名詞に派生しているのです。イギリスは動詞、名詞、それぞれ「できあい」のものをフランスから受け入れているのです。

これってまるで「おかずと汁物」を届けてくれるお弁当宅配のようではありませんか。

福祉のお弁当宅配は1つの町を3つくらいの業者さんが分担していることもあります。だから、日替わりで和食、洋食、中華、汁物もいろいろ…と楽しめます。

さて、フランス語弁当いろんな時代に、あちこちからイギリスへ配達…イギリスは喜んだかもしれませんね。でも、日本人には…そう、派生語の語尾がいろいろありすぎるという不満の原因となります。

そりゃ、なんでもnessをつければいいなら楽だとは思いますよ。でもあまりにも変化に欠けるのはやりがいがなくて、不自由で、飽きますよ。毎日日の丸弁当のみだったらどうでしょう?

それじゃ飽きちゃう、という人はつべこべ言わず繰り返して身に着けることです。どの言語もあなたが生まれるよりはるか昔からあったんですから、あなたの都合でできているわけじゃありません。あなたの都合を超えたものを体得することで、あなたは成熟するんです。

外国語のこまやかさも繰り返して慣れれば愛着がわくもの。そして日本語のこまやかさに改めて興味がわくもの。

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