「英語と日本語は語順が違う」を疑うー通訳:トランプ大統領就任演説

なんだか芯から冷えますね。がまんしちゃだめよ、通訳者は鼻や喉を大事にね。

みんながそういうもんだと思い込んでわざわざ面倒にしていることなんて山ほど。でも通訳者を目指すならあと3回「なんで」「ほんと?」って考えてごらん。

たとえば 「英語と日本語では語順が違う」。「I love you」が「私はあなたを愛しています」、語順が違う、文化が違うと聞いたことない?

そんなのBullshit.(牛糞ではありません。牛糞はcow dungです)。

だいたい好きな人に「私はあなたを愛しています」って言わないでしょ。それ標準語書き言葉だし。話し言葉の方がよほど自然。「あたし好きなんだ、太郎くんのこと。」いけるでしょう?

人間はイメージが浮かんだ順に話す。通訳は話し手の頭の中のイメージ紙芝居ボックスを聴き手の頭の中に転送する。なるべく紙芝居の順をこわさずに。この転送に人工的な「現代標準語書き言葉」はあまり向いていません。標準語書き言葉で訳そうとすると主語、述語を気にして語順、イメージひっくり返し始める。しかも英語の主語を訳すとき「は」「が」をくっつける。英語と日本語では主語の概念が違います。「は」「が」つければいいものではありません。

だから標準語で訳すときは一工夫。「イメージの順」「深い呼吸」「骨導音発声」を心がけます。トランプ大統領就任演説、始めの3分ほど同通してみました。音声は動画の下のリンクからお聴きいただけます。

【私の通訳音声はこちら】

(YoutubeのABCの動画に勝手に音声かぶせるわけにはいきません。別ファイルとしましたが、背景にトランプさんの声、聞こえると思います。)

ほんとに便利な時代。通訳練習素材には事欠きません。腕が鳴ります!

ご希望の方には通訳道場お申し込みの前にお目にかかってお話伺っています(もちろん無料)。
お気軽にご連絡ください。

 

Pin It on Pinterest