「ワーク」って仕事?勉強?シュタイナー「魂のこよみ」第31週に寄せて

ドイツ語祭り続行中の通訳者、冠木友紀子です。

こんなに短い詩に、しかも同じ語が何週も繰り返し登場するのに、毎回一週間うんうん唸っております。

それだけのことはあるんです。多読、乱読、速読では入れない洞窟で瞑想している気分です。

今回はdie Kraft, die Macht、そして das Werkが気になりました。英語で言えばcraft, might, work です。

die Kraft は「熟練のわざ、力」が語源。おお、クラフトって音も玄人と似てる、なんてダジャレです。 die Macht は「大きな力、可能性をはらんでいること」が元です。ありゃ、マッハトってこれはサンスクリットのマーハー、般若心経の出だしの「魔訶」と関係ないかしら、とアタマの寄り道限りなし。 そしてこの2語が女性名詞であるのも面白い、というか当然でしょうかね。いつかインドヨーロッパ語の語源と東洋の言語の語源をじっくり尋ねてみたいものです。

das Werkの英語のいとこ(?)はおなじみwork。仕事、労働、といってもlaborやtoilのこき使われてくたびれた感はありません。taskの人から指示された感もありません。ワークは自らの意志で取り組むことを指すんです。鳥が飛ぶように、魚が泳ぐように自然。そういえば、このごろワークショップってよくききますね。参加者が主体的にかかわりますもんね。シェイクスピアの作品、なんていのもShakespeare’s Worksといいます。

日本のみなさん、会社でも学校でも大いなる力に支えられ、喜び多い「ワーク」をなさいますように。

Das Licht aus Geistestiefen,
Nach aussen strebt es sonnenhaft:
Es wird zur Lebenswillenskraft
Und leuchtet in der Sinne Dumpfheit,
Um Kräfte zu entbinden,
Die Schaffensmächte aus Seelentrieben
Im Menschenwerke reifen lassen.

光は魂の深みより
外に向かう、太陽のように。
やがてそれは生きる意志の働きとなり
感覚の暗がりを照らす、
さまざまな働きが生まれるよう、
魂に衝き動かされた創造の諸力が
人の営みのうちに熟れるよう。

お粗末様でございました。おあとがよろしいようで。

持続可能な医療・農業・教育のための通訳者 冠木友紀子プロフィール

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