住民投票Referendumと選挙Electionの違い?
いやー、びっくりしました。UKの住民投票(国民投票)、EU離脱票が多数を占めました。キャメロン首相はどれほど肝をつぶしていることでしょう。でも先ほどの会見は淡々として個人的に感情的になることがなく、さすがの品格。(おや、BBCではemotionalと言っている。)
”The British people have made a very clear decision to take a different path and as such I think the country requires fresh leadership to take it in this direction.”
こういう人を育てる土壌からして成熟しているのでしょう。リオ五輪に行きたいなんて泣いたりしないのです。10月まではお役目もあるようですが。
どうか漁夫の利みたいなことになりませんように。漁夫?あの漁夫ですよ。
さて、身内の恥をさらしますが、通訳養成を履修している大学生にも住民投票と選挙の区別がついていない!なかなか優秀で努力家、自分に厳しすぎる彼女たちですらこの調子ですから、もしかして…とおせっかいをいたします。まあ、字を見れば明らかですよ…
【選挙】election
これは代表となる人を「選ぶ」から「選」挙です。「選」の部分はラテン語語源では「lect」の部分に当たります。「e」は「外へ」。代表者を選んで外へ送る、という動きが感じられます。
lect=選ぶを使った言葉はほかにももうご存知のはず。
セレクトショップの「セレクト」は…select=se「切り離して」+ lect「選び集める」。いろいろある商品から特別なものを選び出して並べたお店ですよね。
ネグレクトは…neglect=neg「…しない」+「選び集める」。ごみ収集車がうちの前の集積所だけ無視して走り去ってしまうところを思い浮かべてくださいな。
ほかにもcollect, intellectなどありますね。
【住民投票】referendum
住民投票という日本語はどうも英語のreferendumとニュアンスが違う気がしますね。だいたい住民投票と言えば選挙だって住民が投票するのだからややこしい。住民投票ではある事項について賛成か反対かを住民が直接表明します。人を選ぶのではありません。
referendumはre「もとへ」+fer「運ぶ、報告する」。ラテン語refereが変化した動詞状(受動態未来)分詞というへんてこなものです。あのイタリアの皆さんのご先祖様はややこしいものを使いこなしていたものです。頭の作りがちがったんでしょうなあ。
さて、reが指す「もと」は人々をさします。代表者の集まる議会を離れて、そもそも代表を送ったもとの人たち全員に意見を聴こうという発想。
reだのferだのを使った語はいやになるほど沢山あります。あんまり沢山あるので表で失礼。
re(元に向かって) | gress(歩く) |
press(押す) | |
spect(眺める) | |
cede (進む) | |
bel(戦争を起こす) |
con(ともに) | fer (運ぶ) |
re(元に向かって) | |
trans(横切って) | |
pre(前もって) | |
dif (切り離して) | |
sub(suf) (下に) | |
ob(of) (向きあって) |
ほかにもこんなのがあった!という方はどうぞコメントを。
いよいよ明日 英語の先生のためのワークショップ
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