敵などいない
なんであの程度のものが売れるんだ!
なんであんなものが常識としてまかり通っているんだ!
ホリスティックな医療や教育、オーガニック農業の仲間の
友からたびたび聞かれる悔しい思い。
自社の一時的利益最大化を求めて投入収奪の効率化を極めた多国籍大企業を見れば、そんなためいきもごもっとも。
でもね、彼らを敵視してはいけません。それは彼らではなく自分に負けるだけ。
それより、今日、すでに友である人を見出すこと。明日味方になってくれる人と連絡をとること。「一味」を少しずつ育てるしかないんです。それには時間がかかる。だから、今すぐはじめてまめに続けるしかない。
他者を非難しているひまはない。
私も以前はM社はとんでもない!と思っていました。今も思っています。でも…
あるとき、別のD社の副社長のJ女史の通訳を頼まれました。消費者と加工者のコミュニケーションを改善して食品安全技術への信頼を高め、食品の無駄をなくそう、というお話です。
Jさんはオードリー・ヘプバーンを成熟させたような可愛らしい方。昼食から講演会場への移動の道中も植物観察。道端のナガミヒナゲシやホトケノザに手をのばし、「なんてかわいらしい!まあ、ポピーに小さな仏様?日本の野の花は品がいいわ」と立ち止まってはため息をつかれました。
このJさん、M社の幹部として長く務められたとのこと。その頃のことを伺うと、遠くを見るような眼差しでなつかしそうに「人類と食糧のために尽くした」日々を語ってくれました。
いまでも私はM社には賛成できません。でもJさんのような個人の働きを否定しても仕方がない。
徒党を組んでM社に直談判?
それにも私は興味がないんです。
誰か、何かを「敵」と見なして否定、非難すること自体、自分を正義としたい自分に負けていると思うのです。愛をもって相手をいさめているのでもなければ。
でもね、私の常時品切れ気味の愛情は、まず友に捧げたいと思うのです。
原発を製造していたGE社も再生可能エネルギーに取り組む時代です。敵と味方の線引きはできません。友を大切にしよう。それだけです。