芸能人は政治的発言をすべきでないと思うなら…「この人を見よ」Last Week Tonight with John Oliver

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。このところ字幕づくりにかかりっきりでした。

さて、近頃、タレントさんのなかにも国会や憲法に詳しい人たちが出てきました。以前は芸能人が政治的発言をしようものなら、「黙ってろ」のような反応があったものです。大きな影響力を政治的に使うな、という意見もありました。

そんな意見の持ち主もぶっとぶすごい人を通訳道場生のE子さんが見つけてきてくれました。

こちら、ジョン・オリバーさん。アメリカ在住のイギリス人コメディアン&役者です。えくぼがなんともかわいいけれど、この方ただものじゃありません。HBOという有料テレビでLast Week Tonight with John Oliver という番組をもち、これが大人気で今年もエミー賞に選ばれました。

その内容ときたら、アメリカ大統領選、ウィグル自治区への中国政府の仕打ち、新型コロナウィルス騒動に子どもへのワクチン、と時事問題に堂々切りこんでいます。特にトランプ大統領への面白おかしく辛辣なコメントにはトランプ大統領自身ツイッターでけんかをふっかけるほど。オリバーさんは米国籍も持っているようですが、それにしてもここまでコテンパンに言うとは。

それでも多くの人がゲラゲラ大笑いしてこの番組を楽しんでいます。

たとえば想定外のギャップ。
笑いは究極の緊張が弛緩するときに生まれる、といいますが、まさにそうなのでしょう。。ギャップの大きな2つの事柄を並べるお手並みは見事な「なぞかけ」のよう。

たとえば「トランプ大統領は背中に現れた悪性のほくろのよう。去年までは無害だったけれど知らないうちにでかくなって今年はもう無視したらまずい」など。

そして可笑しいほど格調高いイギリス英語。さすがケンブリッジ大学のご卒業。知性に支えられたお笑いはお手の物。このアクセントでfuckingを連発されると脱力してしまいます。

いまのところ日本は微笑ましいゆるキャラで取り上げられていますが(でも、最後のほうでちらりと今年の大統領選をくさしていますが)、さて、どうなりますやら。

もし日本で、日本人女性と結婚した北京大学卒の中国人の男性が…あれ?何語で…?

ジョン・オリバーさんはイギリスとアメリカの間のニッチに他にまねのできない立ち位置を確立しているのですね。

通訳道場の朝稽古では、この方を同時通訳するという変な自主練が通訳道場生の間で流行っていて…おおいに結構。

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