英語教育、いつから始める?ー②
あら、英語を始めるベストタイミングを教えてくれるのかしら?
そして、うちの子も英語がちゃんとできるようになってグローバルに活躍できるようになるのね?
この先の投稿はそう思われた方々のご期待に添うものではございません。貴重なお時間無駄になさいませんように。
国民全員が英語を必修するのは異常
体育、音楽、美術ではさまざまなジャンルに触れます。
もし体育でサッカーだけが全員必修になったら?
音楽でヴァイオリンだけが全員必修になったら?
美術で彫刻だけが全員必修になったら?
バスケやピアノ、水彩に向いている人たちが伸び損ねますよね。
いまの日本の英語教育はそうなっている、ということです。
「いやいや、誰もが英文学者を目指すわけではない。日常会話程度ができれば世界が広がり、仕事にも役立つ」という人がいます。
そんなことはありません。
不可測、不規則極まる日常会話を目指して学ぶのは遠回りもいいところ。よく使うフレーズを覚えても覚えたフレーズに振り回されるだけ。あくまでもきちんと聴け、読めなくてはおぼつかないのです。外国語の日常会話はパン屑。パン屑が欲しかったらパンを焼くしかありません。
また、寺沢拓敬さんの「『日本人と英語』の社会学」にはリーマンショック以降、日本人が英語を使う機会は減り、年収とも関係ないことがデータで示されています。
「あとで役に立つ」「~のためになる」という間違った未来志向の下心では群れのイワシに留まります。
ドナルド・キーンさんがそんな下心で日本文学に近づいたでしょうか。源氏物語が読めたときのキーンさんの驚きと感激が彼を牽引したのではないでしょうか。
身土不二というけれど、言土不二。言語には風土の匂いが色濃く残っています。ひとそれぞれに好みがあるはず。ラーメンだって好みがあるでしょう。
フランスなどは英語必修はもっと短くて、ドイツ語、スペイン語を必修選択できる時間が長くとられています。
私の友人には大学時代にロシア語、フランス語に出会って夢中になり、いまでは通訳、大学の先生をしている人たちがいます。
それぞれのタイミングで出会い、チャンスをしっかりつかんだのです。
ひとりひとりのお子さんにその力があるはずです。
とはいえ、英語は試験科目でもありますよね。そこを無駄なく切り抜ける方法はまたあらためて。外国語を今の大多数の大学ような形で試験科目にするなんて、民間試験を導入しようがしまいが私は大反対なんですけど。