大学の通訳養成講座、たとえばこんなふうに
縁あって（本当に奇跡のような）、私は大学でも通訳養成の講座を担当しています。何よりの喜びは学生たちとの出会い。20歳で通訳の勉強なんて、私は考えてもいませんでした。感心することしきりです。
ただ、残念なことも…日本の従来型大学教育の構造的、体質的な問題です。たとえば…
- 通訳養成講座が「－文学－語学科」に設定されている。
- 授業が週１度、１学期で15回しかない。
- 再履修ができない。
それがなぜ困るのかというと…
- 昨今の文学、語学系学科には高校１年あたりから早々と「苦手」な数学、理科、世界史の学びを離れた人たちがいます。土台となる教養がなければ、いちいち準備に時間がかかります。
- 週１の授業でなんとかするには、楽器の習い事式に家での毎日の練習を課すしかありません。ただ、小学生のピアノの練習を自宅で家族が見守るほど単純ではなく…
- 学び続けたい学生は聴講扱いになり、単位も成績もでません。剣道のような稽古にならんのです。
そこで、大学生のためには、こんなふうにできたらいいと思っています。
- 通訳養成講座は文学、語学系学科所属ではなく、リベラルアーツのカレッジワイド・プログラムとして文学、語学系教員を中心としながら、社会科学、自然科学の教員のサポートを求める。また、理科、社会がお留守な学生は学習まんがで自習する。
- ICUのようにすべての授業を最低週３限とする（無理だ）。あるいは、学期中ではなく長期休暇中の集中授業とする。これで感覚が変わる体験も可能になる。
- 上記、集中授業を複数大学で共催、共有。教室だけでなく、学外でも奉仕体験を積む。何度でも参加できるようにする。
まあ、言い出しっぺには責任がありますね。通訳道場で学生部も持てたらいいのですが、さてどうしましょう。お知恵を貸してくださいな、とくに現役学生諸君。