アタマに自信はないけれど、英語らしい発音で話したい方へ

おめでとうございます。あなたはきっと大丈夫。

語彙や文法に自信はなくても、ちょっと話すと周りが「おっ」と反応するでしょう?話せる、と思われることがあるでしょう?私もそのタイプです。

音は人間の小賢しいアタマ(認知)の産物ではありません。その証拠に、アタマを使って発音をよくしようという試みは…やらないよりましですが、大したことにはなりません。

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「説明」は「アタマ」へのアプローチ。カラダがもったいない…

「口角を前に…」
「口を縦に使って…」
「上唇も使って…」
「手鏡で自分の口を確認して…」
みなアタマでコントロールしようとしています。不可能ではないし、やらないよりはましですけどね。(できるようになってもいまひとつ不自然なんです。)

 

発音記号にも限界があります。口から出てきた「音」は記してあるけれど、音の一瞬前の「息」の違いは書かれていません。birdもburnもeが逆さまになったような同じ記号が書いてあるでしょう?
本当は違うのですよ。
耳に任せれば、聴き分けて言い分けられるようになります。
私たちのカラダはアタマより頭がいいのです。
英語学習でカラダに相当するのが「耳」です。自然な英語習得にはとにかくネイティブの自然な=高周波の子音が自然に含まれている語りをべらぼうに聴くこと。
とはいっても3か月以内にたった100時間程度ですが。
別に素材は政治や経済、ニュースを選ぶことはありません。確かに必要なときもあるでしょう。むしろ「感情」が動く素材をおすすめします。映画でもドラマでも結構です。私はDead Poets Societyが好きで好きで、この27年見続けて、とうとう映画まるごと頭の中にインストールしてしまいました。
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憎まれ役の校長のスピーチまで知らないうちに覚えてる!!

 

さて、聴きながらスクリプトを読んだり、日本語の本を読んだりして視覚で耳の邪魔をしてはいけません。聞き流しが失敗する理由のひとつはコレです。「ながら学習」のつもりで目を使って別のことをしていませんか?現代人は視覚入力優先。せっかくの聴覚入力が干渉されます。
 
さて、100時間を終えると…感覚が変わっているはずです。ちょうど留学した人たちがい「いきなり聞こえるようになった」というタイミングです。
少し前の見方ですが、浜松医科大元教授の植村研一先生は、このときウェルニッケ野に英語中枢が分化していることをつきとめました。英語を日本語に置き換えることなく聞けている状態です。Well, I believe…と出だしを聴いただけで、この文の長さ、軌跡が「予測」できるようになります。語り手の感情も瞬時に感じられます。
「予測」ができない状態で「リスニング」をテストのために勉強するのも、
「スピーキング」のために頭の中で英作文するのも、そもそも無茶で無駄の多いやり方です。
記憶は予測を生み、予測は記憶を容易にする。
記憶は予測を生み、予測は記憶を容易にする。
さて、人間は聴き取った音を反射的、無意識的に再生できるように作られています。これを耳声ループといいます。このループに小賢しいアタマが入る余地はありません。
とはいえ…日本にいれば湿った空気のなかで日本語を聴き、話す時間が長い。聴き取れた英語をそのまま口で再生するにはハンデがあります。
次回、この環境・生理的ハンデとうまくつきあうコツをご紹介します。

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