通訳トレーニングにいいタイミングは?
通訳養成は30歳まで?帰国子女でないと無理?
違いますね。年齢や海外在住歴よりも大切なのは精神状態。
おすすめは大失恋直後。
大失恋直後ってどうしようもないでしょう?もう戻ってくるはずのない人のことばかり四六時中考えちゃって。つきあっていたころより、よっぽど考えちゃう。あのときああすればよかった、こうすればよかったって。まだ戻って来るはず、と思いたいのでしょう?戻ってこないけどね。
でももう戻らない彼の姿、声、ありもしない会話を止めるにも強さが要りますよね。その強さもないんでしょう?
それってあなたは今この時に生きていないっていうことですよね。
過去に生きているということですよね。
いつまで過去に生きているつもり?
通訳訓練はどうしようもないエンドレステープをピタッと止めて、あなたを今に引き戻します。
通訳で大切なのはひたすら聴くこと。そしてひたすら準備すること。
listen to reply(聴きながらなんか言ってやろうと思っている)ー普段の会話
listen to understand(聴いて理解しようとする)ーリスニングのおべんきょー。
listen to interpret(通訳するために聴く)ー通訳の聴き方
ただ無心、無私に聴かないとプロの通訳なんてできないよ。(関係者アマチュア訳はこのレベルではない)
目の前にいる他者に耳をすませる=今に生きる。
東京のある学校をやめることになって、私の頭のなかはエンドレステープがぐるぐる。藁をもすがる思いで駆け込んだNHKの国際研修室。通訳素材は子ブッシュさんの演説でした。個人的にはまったく賛成できない考えの持ち主だけど、通訳としてlisten to interpretしたときのさわやかさは驚きでした。分厚い雨雲が一瞬で晴れたよう。批判の声どころか、エンドレステープまで止まってくれた。
繰り返しになりますが、ぼろぼろの私がNHKの扉を叩いたのは大失恋がきっかけではありません。残念ながら恋愛相談は専門ではございませんので、ご遠慮申し上げます。ただし、かかり稽古のような通訳養成でさっぱりなさりたい方はご遠慮なくご連絡ください。こちらも遠慮しません。