英語は話せるけど通訳はつらい人はコレが余分

日本は一気に新緑がまぶしい季節、心にまでさわやかな生気が満ちるようです、が…ふと思い出すのは数年前のGW明けのこと。

英語以上に人助けが大好きなK恵さんからなんだか元気のないチャットが来たのです。

「『あなたがアメリカで研修してきた分野だからぜひ通訳をお願い』と言われると断りにくくて…。なんとかやったけれど、なんだか変に疲れて…。」

「集中力も切れそうで、ヒヤヒヤしました。」

「何が足りないんでしょう?」

確かに通訳は集中力がいりますね。私も通訳しているときを振り返ると意識状態が普段と違ったなあ、と思います。でも、その集中力を実現するのは集中力の訓練ではないように思います。

 

「変に疲れて」を詳しく聞いてみると、「イライラした」と言うのです。

ははあ…!

K恵さんに必要なのは、集中力をプラスする訓練ではなさそうでした。

イライラの原因は「いつもの自分」です。自分というフィルターが残っていたのです。

普段の会話では人の話を聞きながら次に自分は何を言おうか思い浮かべているものです。英会話となるとますます張り切って発言する人もいます。

通訳者は一瞬たりともそんなことをしてはなりません。しようとも思いません。

ふだんの自分を、自分の価値観意見を完全にスイッチオフするのです。

そんなことしたくないと思う人もいるでしょう。きっと心が健康なのでしょう。それはそれでよかった。

実は、私が自分フィルター消去を身につけたのは人生のどん底でした。「こんな自分は消してしまいたい。消えてしまいたい」と思っていた時でした。

あのときこうすれば、これからどうしたら、と過去への後悔と未来への不安にまみれていました。

そんな心の独り言を止められないほど弱っていました。

その時、たったひとつの居場所がNHKの同時通訳養成講座でした。

この講座では3期続けて同じレベルにとどまると退学させられます。一言も漏らさず聞いてすぐに通訳しなければなりません。

これが私には薬となりました。

当時の教材は子ブッシュ大統領(!)のイラクに自由を(!!)スピーチでした。その内容は今にして思えば
あまり賛成できるものではありません。

でもとにかく一心に聴くと…

爽やかだったのです。

久しぶりに自分の心の中の独り言がすっかり消えました。

こうして私はひとさまの声に聞き入ることで自分の心の静けさを取り戻しました。

今はすっかり元気ですが、自分フィルターを消すことなど少しも惜しくも怖くありません。

 

ふだんの自分などしばらく消してもどうってことないです。すぐに戻ってきすからね。

自分フィルターを消せる人のほうが自分フィルターを保ってばかりの人より強いとさえ思います。

そう、通訳トレーニングは心の静けさと強さをはぐくむのです。おしゃべりが褒められがちな英会話とずいぶん違います。

さて、通訳練習のために私のような逆境を引き寄せるのはちょっと変です。

ならばこんな練習はどうでしょう。

あなたが尊敬する、憧れるどなたかの語りを完璧にシャドーイング、完璧にリピーティングそして通訳するのです。自分を消すというより、楽しい憑依体験になるかもしれません。

それでもきっと自分を消す爽快さとともに想像もしなかった景色があなたを待っていることでしょう。やがて通訳すればするほど元気爽快になることでしょう。(気味悪がられても悪しからず)

Have a fab week ahead!
佳き週をお過ごしください。

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